就職活動のコツ
精神障害・発達障害のある方が広島市で長く働くコツ|短時間勤務・通院配慮・配慮事項の伝え方【例文つき】

精神障害や発達障害のある方から最も多くうかがうのは、「働き始めることより、働き続けることが難しい」という声です。体調の波、通院との両立、環境の刺激、指示の受け取り方——こうした要因は、事前の準備と職場との共有でかなり軽くできます。この記事では、広島市で精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(申請中の方も)が長く働くためのコツを、短時間勤務・通院配慮・配慮事項の伝え方の3つの観点から、例文つきで紹介します。
1. 「短時間から始める」は制度的にも後押しされている
精神障害のある方の場合、週20時間以上30時間未満の短時間勤務でも、企業の法定雇用率の算定で1人として数えられる特例が続いています(当分の間)。さらに2024年4月からは、週10時間以上20時間未満の精神障害・重度身体障害・重度知的障害のある方も0.5人として算定されるようになりました。企業にとって「短時間から受け入れる」ことが制度上も評価されるため、週20時間前後から始めて段階的に延ばす求人は、広島市でも増えています。
求人を探すときは、「短時間勤務OK(週20時間〜)」「週20時間未満も相談可」「勤務時間を段階的に延長可」といった条件で絞り込んでみてください。当センターの求人一覧では、これらの条件で検索できます。
短時間から始めるときの目安
- 最初の1〜3か月は「無理なく通える時間」を優先し、週3〜4日・1日4〜5時間から始める
- 延長するときは、1日の時間を延ばすより日数を増やすほうが体調の波を把握しやすい
- 延長のタイミングは企業と定期面談で決め、体調が崩れたら戻せる約束をしておく
2. 通院配慮は「頻度・曜日・必要な時間」を具体的に
通院配慮は、精神障害のある方が長く働くうえで最も重要な配慮のひとつです。求人票に「通院配慮あり」と書かれていても、企業が想定している内容はさまざまです。面談や面接では、次の3点を具体的に伝えると、企業側が調整しやすくなります。
- 頻度:月1回、2週間に1回など
- 曜日・時間帯:主治医の診察日が固定なら、その曜日を伝える
- 必要な時間:半日休みで足りるのか、丸1日必要か
例文:「月に1回、第2水曜日の午前中に通院があります。その日は午後からの出勤か、お休みをいただけると助かります。それ以外の日は安定して勤務できます。」
服薬による眠気やだるさが出やすい時間帯がある場合も、「午後2時ごろに集中力が落ちやすいので、その時間は単純作業を入れていただけると助かります」のように、時間と対処をセットで伝えると受け止めてもらいやすくなります。
3. 配慮事項は「できないこと」ではなく「こうすれば力を発揮できること」として
配慮事項を伝えるとき、多くの方が「迷惑をかけるのでは」と遠慮してしまいます。しかし企業側にとっては、入社後に突然わかるほうが対応に困ります。合理的配慮は、ご本人からの申出を受けて企業と話し合い、過重な負担にならない範囲で決めていく仕組みです。伝え方のコツは、困りごとをそのまま伝えるのではなく、「どうしてもらえれば力を発揮できるか」という形に言い換えることです。
| 困りごと | 伝え方の例 |
|---|---|
| 口頭の指示を聞き漏らす | 「口頭の指示に加えて、メモやチャットでもいただけると確実に進められます」 |
| 複数の作業を同時に頼まれると混乱する | 「作業は一度にひとつずつ、優先順位を示していただけると正確に進められます」 |
| 音や人の動きが気になって集中できない | 「可能であれば壁側や端の席、または耳栓の使用を許可していただけると集中できます」 |
| 急な予定変更に弱い | 「変更がある場合は前日までに教えていただけると準備ができます」 |
| 体調の波がある | 「月に1回、短い面談の時間をいただけると、早めに相談できて安定します」 |
面接で希望できる配慮もあります
厚生労働省の合理的配慮指針では、募集・採用の段階での配慮の例として、就労支援機関の職員の同席、筆談による面接、面接時間の延長や体調への配慮、移動が少ない会場での実施などが挙げられています。当センターの登録フォームには「面接で希望する配慮」を選ぶ欄があり、企業との調整を事前に行います。
4. 発達障害のある方に多い困りごとと対処
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)のある方からは、「あいまいな指示」「暗黙のルール」「優先順位づけ」「時間管理」に関する困りごとをよくうかがいます。対処として有効なのは、マニュアルや手順書がある求人を選ぶこと、業務の開始と終了の合図を明確にしてもらうこと、タスクを書き出して見える化することです。求人票では「マニュアル・手順書あり」「仕事内容が固定・定型」「静かな環境・個別ブースあり」といった条件が目安になります。
5. 長く働き続けるための「支え」を先に用意する
就職はゴールではなくスタートです。入社後に頼れる先を先に決めておくと、困りごとが大きくなる前に相談できます。
- 企業内の相談相手:指導担当や人事の窓口を入社前に確認する
- 就労定着支援:就労移行支援などを経て就職した方は、就職後6か月経過後から就労定着支援を利用できる
- 障害者就業・生活支援センター:広島市には「広島」(西区横川町)と「広島東」(東区若草町)の2か所があり、就業と生活の両面から相談できる
- ジョブコーチ:広島障害者職業センターのジョブコーチ支援は、職場に出向いて本人と企業の双方を支援する
- 当センターの定着支援:入社後も定期的にご連絡し、企業との間に入って調整する
6. 給与と生活の見通しを立てる
短時間勤務から始める場合、収入の見通しも早めに立てておきましょう。広島県の最低賃金は2026年10月11日から1,141円になります。週20時間・時給1,141円なら月額はおよそ9万9千円(4.33週換算)です。障害年金を受給している方は、就労しても年金が直ちに止まるわけではありませんが、更新時の審査に影響する場合があるため、年金事務所や社会保険労務士に確認しておくと安心です。
まとめ
精神障害・発達障害のある方が広島市で長く働くコツは、「短時間から段階的に」「通院配慮は具体的に」「配慮事項は前向きな言い換えで」「支えを先に用意する」の4つです。ひとりで準備するのが難しいときは、当センターの面談で一緒に整理しましょう。相談・紹介・就職後のフォローまで、費用はかかりません。
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